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ウェルネス

近頃「ウェルネス(Wellness)」という言葉を目にする機会が増えましたが、「ウェルネス」という言葉の意味をみなさんはどう説明されますか?「健康(Health)」と同義語と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

世界保健機関(WHO:World Health Organization)では、「健康(Health)」について以下のように定義しています。

「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.(健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。) 」*(1)

つまり「健康(Health)」とは、体力や精神力が強く、活力があり、社会的に豊かで良好な人間関係がある状態と言えます。

 

一方「ウェルネス(Wellness)」は、1961年米国公衆衛生医 ハルバート・ダン博士が提唱した概念で、全米ウェルネス協会(NWI:National Wellness Institute)では以下のように定義しています。

 

「Wellness is an active process through which people become aware of, and make choices toward, a more successful existence.(より成功的な存在へ向けて、あらゆる知識を高め、行動の選択力を強めるための積極的な生き方)」*(2)

 

つまり「ウェルネス(Wellness)」は、豊かで輝く人生を目指している過程こそがウェルネスであり、健康はゴールではなく、それを達成するためのベース、手段。正にウェルネスとは、自己実現に向け、能動的に学び、選択行動し、人生を積極的に楽しむ生き方、質的向上を目指すライフスタイル、と言えます。

 

このようなウェルネスという考えは、アメリカでは1970年代から、ヨーロッパでは1990年代から広がりをみせました。

日本でも1985年に「財団法人日本ウエルネス協会」が設立され、ウェルネスという言葉が流行したのですが、その当時は定着することはありませんでした。

しかし、近年世界的にSPA、フィットネス、ヨガ、ダイエット、健康食品などウェルネス関連市場が年々拡大してきており、2017年は約462兆円市場に成長してきています。*(3)(1ドル=110円計算)

 

アメリカではWhole Foods MarketやTrader Joe’s、Fresh & Easy、Sproutsなど健康志向食品を扱う大型専門スーパーが拡大しています。また、東南アジアの小国でもウェルネスという考えが一般のスーパーマーケットでも定着しています。それは、人口が560万人、東京都の住民の1/2以下の国民しかいないシンガポール。多民族国家でもあるこの国のごく一般的なスーパーマーケットであるCold Strageでは、健康意識が高い消費者向けに「Wellnes 4(for) you」という大きな販売コーナーが設置されています。

 

「Offering a wide selection of health-conscious choice suitable for your diets and lifestyle, we've just about everything you need.(お客様のダイエット[食餌療法]やライフスタイルに適した、健康を重視した、幅広い選択肢をご用意しております。)」という考えの元に、Allergy Aware(食品アレルギー対応)、Low GI(低糖質)、Low Fat(低脂肪)、TransFat Free(トランス脂肪酸ゼロ)、Gluten Free(グルテンゼロ)、High Fructose Corn Syrup Free(高果糖液糖ゼロ)、Organic(有機農産物)というカテゴリーで、非常に多彩な商品を販売しています。*(4)

 

日本でも、自然飼育や無農薬栽培などの生産にこだわった食材、全材料にこだわった食品が購入できる販売店も増えてきましたが、シンガポールでの健康食品の品揃えは日本以上です。

多数の中から何を選択すべきか、それは正に自分自身で判断して、取捨選択しなければなりません。

 

「ウェルネス(Wellness)」という言葉が、日本でも広く使われ始めたということは、「流行に便乗して自分や家族の健康に関わるものを選択する時代」ではなく、「自分自身で積極的に学び、能動的に行動すべき時代」が来たということを意味しているといえるでしょう。

出典:*(1)世界保健機関憲章前文 (日本WHO協会仮訳)https://www.japan-who.or.jp/commodity/kensyo.html, *(2)National Wellness Institute https://www.nationalwellness.org/page/AboutWellness,  *(3)Global Wellness Institute https://globalwellnessinstitute.org/press-room/press-releases/wellness-now-a-4-2-trillion-global-industry/, *(4)https://coldstorage.com.sg/article/topic/wellness4life